駒澤大学ギタークラブ資料館

KGC Laboratory

エッセイ

目に見える問題と目に見えない問題 3年生 長島 弘樹

前期演奏会を終えて感じたことは、まず、全体を通して、
部員全体に、『演奏会を主催する』~という、当事者意識がなかったこと、
自分達は成功することができるという、
根拠の無い自信があったことが問題だと思います。


リハから本番までの反省点、改善点
今回リハは、6月9日・11日の2回行いました。
ここでの反省は、そもそも通し練習をほとんど練習しなかったため、
リハが、何の内容も無いものになってしまいました。

今後の演奏会は、席の移動練だけでなく、通し練習をやる必要があると思います。
そうする事によって、部員全体にも、
本番に向けての緊張感が生まれるのではないでしょうか。

本番では、当日の集合が早すぎたということが反省点にあげられます。
今回は午前中に集合しましたが、リハ後、演奏者のモチベーションが下がり、
また、1年生は2限後の集合でしたが、これについても、集合が早すぎたと思います。

なぜ早く集合してしまったかは、特に理由はなく、
要するに、あまり深く考えていなかった事が、第一の問題でしょう。
このような事から、来年は午後に集合して、
ベストな精神状態でもってステージにのぞむべきかと思います。

また、本番で使うギターの弦が安定していませんでした。

弦の張替えは、本番2週間前の5月30日に替えましたが、
張り替え後、練習に使用するギターが偏ってしまい、
持ち帰って伸ばす人も、あまりいなかったため、
本番までに弦を安定させる事ができませんでした。

これも大失敗です。

このようなことから、今回の時期に張り替え、本番までに伸ばせないようなら、
来年度は、もっと張り替え時期を早くしてもよいのではないかと思います。


1年生の育成面の反省点、改善点
1年生への育成面での大きな反省点は、
1年生を、同じ部員として扱えなかった事だと思います。

ドアボーイ・受付係り・ステージサポートなど、
これらの仕事を『1年生に手伝ってもらっている』という意識が、
少なからずあったように感じます。

何をするにしても、上級生が動いてしまう。

例えば、受付・締切の紙などの設置の会場作り、記念講堂でのリハや、
本番当日のリハなどでの席作りに関しても、上級生だけでやってしまったことです。

勿論、上級生が行えば、何ごとも素早く出来てしまいますが、
これでは、1年生達は何も学べませんから、彼ら1年生が上級生になった時、
どのようにセッティングすべきか、指示出来ないのも当然でしょう。

上級生が、1年生の勉強するチャンスを奪っていること、
更に、多くの上級生が、その問題に気付いていない点が問題だと思います。
来年、1年生に仕事をさせる時は、多少効率は悪くとも、
1年生に準備をさせても良いのではないかと、いや、させるべきかと強く思います。

どんなトラブルがあっても対処できる4年生になる為には、
そういった経験が1年生の頃から必要ですし、
そういう「1年生から4年生まで、全員でつくる演奏会」とか、
「どんな行事でも、それをやる時は全員で臨む~」というスタンス、
まずは、そういう心構えを持つ必要があるように思えました。

この様に、前期演奏会の反省・改善点を書いてきましたが、
そもそも、今回、なぜ1年生を部員として扱えなかったのか?~という疑問が出てきます。

これについては、恐らく、新歓中の気持ちのままで、
上級生が、1年生に対して接している事が原因ではないかと思います。
つまり、新歓の時の『お客さん』として1年生を扱っている、
そういう上級生がいるのではないかと思うのです。

本人は意識はしていないと思いますが、そういう気持ちが根底にある気がします。
この点も早急に改善すべきでしょう。


各係活動での反省点、改善点
ドアボーイ・受付・ステージサポートの責任者の配置を、
何も考えずに置いてしまいました。
その仕事に、何の経験も無い人を責任者にしてしまったという意味です。

何かあった時に、迅速に対応することができるように、
経験のある人を各係りに置くべきだと思います。
また、監督役を担当する上級生は、
1年生をどう育てていくかまで、考えておく必要があると思います。

また、当日のホールに、ビデオ機材を設置していたにも関わらず、
ビデオ担当の部員を置かなかったため、当然、録画することも出来ず、
今後の資料となるビデオを撮影することが出来ませんでした。

ビデオを撮影しないならしないで、機材を持っていく必要もありませんし、
2階席の最前列に設置する必要もないでしょう。
設置しておいて、肝心の係を置かない~という行為は、
要するに誰も何も考えていない、何となく演奏会をこなしている為かと思います。

今後は、当たり前のことですが、何をやるにしても、なぜ、何の為にやるのか、
そういう目的感を持って行動することが必要だと思います。

またアンケート作成を一人に任せてしまい、そして確認もしなかったので、
ミスプリントがあり、当日にコピーし直すという事になってしまいました。

作成者がいれば、校正する人も必要なわけで、
この点についても、配慮が欠けていたと思います。
アンケートなど事前に作るものは、部員全員で確認することが必要だと思います。

部長としては、情報の把握をしなかったことが反省点にあげられます。
例えば、本番に呼ベル・本ベル・影アナの変更点について、
なぜ、何のために変えるかを把握していなかったことです。
なぜ把握できなかったかは、何も考えずに行動していたからです。

これは、自分のミスだと思います。

最後に今回の演奏会での感想は、
どれだけ自分達が多くの人に支えられて演奏会・練習が行えているか。
そして、どれだけ、自分達が、何もする事ができない、
実行力の無さを痛感させられた演奏会になりました。

今回の演奏会の失敗を、失敗と素直に認め、
自分達が、いかに不甲斐ないかを素直に受け止める気持ちを持ち、
その上で、今後の演奏会で同じ失敗を繰り返さなければ、
今回の前期演奏会は意味のあるものになるのではないかと思います。

今年度が終わったとき、是非、「成功だった」~と言えるよう、
行動していきたいと思っています。

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