駒澤大学ギタークラブ資料館

KGC Laboratory

エッセイ

長野ケーブルテレビ収録 3年生 河野 太介

新人募集も終わりかけた頃、
ギタークラブに、テレビ出演の依頼が舞い込んできました。

正直、かなり動揺したのを覚えています・・・。
何しろ今まで、テレビというモノは「見るもの」であって、
実際、自分達が出演するものだとは、夢にも思っていなかったから。

番組の制作元は長野ケーブルテレビで、その気になる番組は、
「ギター作りにかける~小平栄一さん~」という題名のドキュメンタリー番組です。

そう、ギタークラブでは、毎年、楽器を持っていない部員には、
全員、「小平」のギターを購入し続けてきたわけですが、
長野ケーブルテレビのディレクターの方が、
以前、特集番組の中で地元ギター工房を取材したところ、
この小平のギターを歴代愛用してきた団体として、
毎年、ギターを購入しているフォルテ楽器さんから、我が部の存在を知り、
この出演依頼がきたのでした。

当然、部員全員が小平ブランドのギターで演奏している映像や、
「なぜ、あえて小平のギターを選んで購入し続けているのか?」
~と、そういうインタビューがあるわけですが、
最初は、頭の中が真っ白で、実際、何をして良いのか思いつきませんでした。

今思うと、相手はプロの方なのだから、別に特別なことをやろうとせずに、
自分達であれこれ色々考えるより、
ディレクターさんの言う通りにやれば良いだけの話しなんですが・・・・。

「何か、もっと力になれれば」~などと、余計なことを考え、
勝手に緊張して、混乱していたように思えます。
ディレクターさんから、「いつもの練習風景で良いですよ」と言われた時、
そう、いつもの練習しか出来ないにも関わらず、なぜか見栄を張り、
いつもとは違う練習をしなくちゃ~など、色々なことが頭をよぎってしまいました。

要するに、気持ちが舞い上がり、混乱していたのだと思います。
それほど「テレビに出演する」という出来事は、僕にとって刺激の強いものでした。

当日、まずは、上級生全員で1年生を指導する風景を撮影しました。
しかし、撮影が進むにつれ、気付いたのですが、照明器具が点灯し、
大きなテレビカメラの機材を持つカメラマンさんが動き回るなか、
入部したばかりの1年生が、教わっている練習内容に集中している姿を見て、
自分自身が3年生にもなって何を緊張しているのか、焦っているのか、
恥ずかしいような、馬鹿らしいような・・・・。

そういうわけで、練習の後半は、いつも1年生に教えていることを、
当たり前のことを、当たり前のように、精一杯やらせて頂きました。
その後は、上級生による合奏を撮影する為、記念講堂に移動。
ステージ衣装に着替えて、「カントリーロード」を演奏して撮影はすべて終了。
そう、結局、難しいことは何一つなかったのでした。

ただ、いつも通りにやること。

映像になった僕らの姿がどう映っているか、また、僕らの演奏を聴いた人が、
どう感じるか~という事を必要以上に考えるのではなく、
結局、どう映ろうと、どう感じられようと、
僕らは、いつも通りに、ベストをつくすことが大切だと感じました。

まだ、今年度は始まったばかりですが、何ごとにも構えすぎず、見栄をはらず、
真摯な気持ちでウインターコンサートに向けて頑張って行きたいと思いました。

Portrait

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