駒澤大学ギタークラブ資料館

KGC Laboratory

エッセイ

3年間をふり返って 山本 鮎子

2年生の春、教場の黒板の端に書いてある「ギタークラブ」という文字が目に入りました。
そういえば入学して間もない頃、
記念講堂でいろんな大きさのギターで演奏している部活があったなぁと。

またしばらくして、1号館で写真付きのポスターに目が留まりました。
白と黒のステージ衣装を着て、きちっと並び、いかにも真面目そうな印象の写真の上には、
またしても「ギタークラブ」の文字。

なるほど、真面目にギターを弾いている、割とキビシイ感じの部活かなっと思いました。
この時の私は、今までバンドでチョロッとギターを弾いたことはあるけど、
なんせ歌うほうが好きだったもので、勿論、まともには弾けず、
ここは一つ、厳しく教えてもらったら弾けるようになっちゃうかなと、
そんな軽い感じで行ってみることにしたわけです。

軽い「ノリ」とはいえ、初めて部を訪れたときは、ひどく緊張しました。
案外小心者な上に、そこで説明をしてくれた先輩が、
また物腰柔らかく、上品に見えたものですから、

言葉使いも汚ければ、茶化し屋の私にとっては、こりゃヤバイ?場違いなんじゃないかと、
予想していた通り、いえ予想以上に真面目な印象を受け、訪れるたびに緊張してたんです。
これホントです。信じてくださいっ!

しかも私は、勧誘期間の終わった時期外れな頃に行ったものですから、
他の新入部員達についていけず、より一層、挙動不審になったものです。

練習に参加して数回目、休憩の合間に先輩が「風の丘」を弾いてくれました。
演奏中、自然に人が集まり始め、最終的には、かなり大人数の合奏になっていました。
これが何とも言えないほど感動!入部する決め手となったのは、この演奏でした。

そんな感じで入部したギタークラブ生活。

~といっても、初めの頃は、月、土しか行けなかったので、
行くたびに「久しぶり!」と言われていたのですが、
そんな中、遠くのほうから「あゆこ!」と先輩に呼ばれ、
いきなり下の名前呼び捨てってどないやねん、と心の中でツッコミつつ、
名前を覚えてもらえて、すごく嬉しかったのを覚えています。

運営に携わるようになった頃、

2年から入部した私は、3年生としての経験がないまま、
部の4年生として後輩と接するのは許されるのかと思ったりもしましたが、
どうあがこうと、その現実は変わりませんし、
ならばせめてギターだけでも教えることができるよう、
きちんと分かりやすく説明できるようにと考えました。

今、それが実現できたかと聞かれると、全く自信はなく、
むしろ、教えようとするたびに毎回悩んでいます。

たくさんのことで戸惑い、何度も何度もつまづいてきた、
ギタークラブでの3年間、その度に多くの人に助けてもらい、
支えてもらいながら、多くのことを学び、いつの間にか、このクラブは、
自分にとって大切な場所になっていました。

クラシックギターに出会えた場所として、
またギターだけではなく人として尊敬できる人に出会えた場所として。

最後に、3年間、私がこれだけクラシックギターに夢中になることを支えてくれた先生、
OBOGの方々、先輩でもあり同学年でもある4年生、同期でもある3年生、
後輩のみんな、両親、また友人達、私に関わってくれた全ての人に感謝します。

本当に有難うございました!

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